地盤改良
私たちの国日本は、海に囲まれた島国、また、地震の多い国です。
大きな地震や水害による土砂災害があると、地盤が崩れて大規模な建物が流されたり、ま た、経年劣化でビル・病院等も傾いてしまうこともあります。
しかし、住まい・建築物は何十年と使うものですし、とても高価な買い物でもあります。 ドアが開かなくなったり、床が傾いたりするなどの不具合が出てくるようでは、安心して 住むことができません。
そこで必要なのが地盤改良工事です。建物を建てる前に地盤をよく調べ、必要に応じて さまざまな対策を施すことで、その上に建てる建物をしっかり安定させ、沈下や傾いたり しないようにする工事です。
表層改良
支持層までの深さが1〜2m程度と比較的浅い場合に使われます。
表層のやわらかい土を掘り起こし、改良専用材と混合させて地表面そのものを固める工 法です。短期間で工事できる上に低コストで、地盤がしっかりしていてさほど重量のない 建物を建てる場合に適しています。
柱状改良(ソイルコラム工法)
支持層までの深さが2m〜7m前後の場合によく使われます。
重量がかかる柱部分などの位置に土とセメントミルクを撹拌させ、土中に柱状体のコン クリートを作る工法です。比較的に安価で工期も短く幅広く使われています。
鋼管杭・BH工法・PHC杭
鋼管杭改良工法
支持層までの深さが7〜43m位と深い場合に用いられる工法です。
強度の高い鋼管を支持層まで打ち込み、それを土台として建物を建てます。鋼管をつなげることで、支持層が深い場所であっても安定した土台を作ることが可能で、排土も少なく、比較的コンパクトな施工も可能で音・振動も低レベルです。
BH工法
施工機械が比較的小型なため、狭小な場所や高さ制限のある場所に用いる工法です。
ボーリングマシンを使用し、先端ビットを回転させ掘削・撹拌させて、土中にコンクリー トの柱を作ったり、あるいは既製杭を建て込んだりします。 最もコンパクトな杭掘削工法の1つで、音・振動も極めて低レベルです。
PHC杭改良工法
既製コンクリート杭の最も代表的な工法の1つで、高強度プレストレストコンクリート杭(PHC)が正式名称です。
地盤状況に応じてオーガヘッド・スクリューなどで掘削し所定深度にて根固め液を注入 し特殊な方法で製造したコンクリート杭を建込ます。深度が深い場合には杭を溶接・無溶 接で繋ぎ合わせることで対応します。比較的工期が短く、音・振動も低レベルです。